駆け出しイラストレーターが実際に仲介案件を受けてみて感じたメリットとデメリット

2020年3月29日

「イラストレーターとして仕事を取りたいけど、企業から直接仕事をとれない…」

そういった場合、営業をして企業に売り込む以外の方法としては、

  • 個人依頼を受ける
  • クラウドワークサービスを使う
  • イラスト仲介会社を通して仕事を貰う

といった方法があります。

クラウドワークサービスとは、仲介サイトを通して、絵などの仕事を頼みたい相手とやり取りができる仕組みの事です。関心があれば「ランサーズ」で検索してみてください。



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Ken
みなさんこんにちは。
kenです。
 

今回は、その三つの中であまりネット上で体験談を見かけない「仲介会社を通して業界の仕事を受けるメリットとデメリット」について書いていきたいと思います。

あくまで、この記事は僕の経験に基づき書いたものです。

この記事は仲介会社について否定的な視点で描いていますが、なかにはちゃんとした仲介会社もあるのかもしれません。

仲介会社から仕事を受ける3つのメリット

1.業界で必要なクオリティがわかる

個人依頼やクラウドワークでは、依頼側は絵について素人であることが多いです。

そのため、数件仕事を受けたくらいでは、絵が上手くなることはほぼないといっていいと思います。修正対応についても、絵の素人から見てどう思うかなので、技術の向上という点では期待できません。

一方で、仲介会社を利用するクライアントは、ゲーム会社などの業界関係の会社が多いです。

補足しておくと、仕事を頼みたい「クライアント」と、仕事を受けたい「イラストレーター」がいて、その間に入るのが「仲介会社」です。


そういった会社には、アートディレクターなど絵について知識を持っている人がおり、修正指示はそういった人から行われることが多いです。

そのため、仲介を通して仕事を受けることで 「自分がゲーム会社に就職するためにどういった部分が足らないか」などを把握するうえでは役に立ちます。

僕の場合、イラストの粗について徹底的に追及されたので、イラストの粗に対しての意識が良い方向に変わりました。

2.仕事の流れが分かる

個人依頼やクラウドワークでは、支払いはpaypalやサイト内で行われることが多く、書類の作成や郵送はほぼありません。

一方、仲介会社を通して仕事を受けると、 請求書や発注書などをやり取りします。(ちゃんと源泉徴収もされます笑)

なので、今後フリーとして仕事を受けたい人は、 経験として一度仕事の流れを知っておくと、企業から案件を受けたときに慌てなくて済むかもしれません。

3.一応実績にできなくもない

これは仲介会社にもよりますが、クライアント名は非公開なものの、仲介会社や依頼のジャンルくらいは出してもよいという場合もあります。

なので、実績がないうちは、実績として受けた枚数を公開できるのがかろうじてメリットになるかもしれません。

もちろん、企業から実績公開できる依頼を貰えるのならそちらの方がいいです。

仲介会社から仕事を受ける4つのデメリット

1.ストレス要因が増える

仲介会社って、月に数十件、数百件と仕事を仲介しないと儲かりませんよね。

そうすると、メールの一通一通のコミュニケーションに気を使う余裕もないわけです。

そのせいか、「ここもダメ、そこもダメ」という風に、修正箇所だけを書いたメールを送るような、それこそイラストレーターを駒としか思ってないような対応をする会社が多かったです。

これはなかなかにストレスになります。

「我ながら結構上手くできたぞ」と思いながら修正を済ませたファイルを提出したら、翌朝に「こんなんで納品扱いされると思ってるの?ここも直せよ(意訳)」というメールが連日来るという現象を想像してもらったら、容易に想像できると思います。

報酬にストレスが見合っていないので、仲介案件だけで生計を立てようだとか、仲介案件を副業にして稼ごうだとか考えるのはやめておいた方がいいと思います。

2.知識がないと搾取される

個人依頼だと、それこそ「無料で描いて」といった不当に安い依頼が来たりしますよね。

これは、「依頼する個人が絵を描く大変さを知らない上に、絵の相場を調べようとする努力すら怠る」から起こるんだと僕は思います。

仲介案件も「依頼額が安い」という点では、個人依頼と同じなのですが、その実態は大きく異なります。

仲介会社の利益というのは…

「クライアントから貰った額」ー「イラストレーターに払う金額」

つまり、 イラストレーターが無知な場合、そこに付け込んで安く買い叩けば買い叩くほど儲かる わけです。

そのため、「イラストの相場を知った上で、あえて初心者がギリギリ受けそうな安い値段を提示する」といったことは日常茶飯事です。

それに加えて、なかには「クオリティが足りていないから減額する」「制作が打ち切りになったから、報酬額を現段階のクオリティに合わせて減額する」といった下請法違反まがいのことをしてまで支払額を減らそうとする業者もあります。

(後者に関しては、早い段階で納品レベルのクオリティに達したので、制作打ち切りになったと嘘をついて値切ろうとしている可能性すら考えられます。)

3.絵の仕事で最もコスパが低い

クラウドワークサービスもサイト運営維持費のため、報酬額の2割くらいを中抜きされますが、仲介会社は少なくとも報酬額の5割は抜きます。

後者は、ネットの情報なので信憑性は定かではないですが、実際に仕事を受けた身としては、本当にそれくらいなのではないかと思います。


中抜きの割合が多いということは、クライアントからしたら「同じ金額を払う際、さらに余分に払わなくてはならない」ということです。

なので、クライアントが4万円払っていたとして、その5割が中抜きされていれば「2万円の報酬で4万円のクオリティを出さなくてはなりません。」

それに加えて、クライアントは先ほど書いた通り「イラストについて知識を持っている」相手です。個人依頼に比べ、修正指示は細かく、求めるクオリティも高いです。

上のことから、 「仲介案件は絵の仕事で最もコスパが悪い」 といえます。

時給換算で最低賃金を超えることはまぁ不可能だと思います。

逆に、もし仲介案件で最低賃金を超えるくらい筆が早ければ、それを強みに仲介に頼らなくても食っていけると思います。

4.絵を描いてもポートフォリオに入れられない

仲介会社に頼むのは、大方「安く使える人材を探したいけど、安い人材を探すのが面倒くさい」といった消極的な理由によるものです。

なので、「実績が公開できる案件は殆ど存在しない」と思います。

これは、「もし安く使える人材に実績を与えてしまったら、その人が実績を元に別の会社に乗り換える可能性が上がり、安く買い叩けなくなるから」です。

実績公開が不可ということは、自分がその絵を描いていないことと同じです。

なので、 ポートフォリオの作品を増やして就活や営業をしたいと思っている人には向きません。

結論

ゲーム会社であれば、ある程度はイラストを内部で作成できるわけです。

もしくは、そこそこ名の知れたプロの方に頼むということもできなくはないわけです。

それをせずに あえて仲介を通して仕事を頼むということは、何らかの意図があるに違いありません。

そのせいか、少なくとも僕が受けた案件は特別な事情を抱えたものばかりでした。(守秘義務があるので詳細までは書けませんが…)

もし仮に、「あなたのイラストに感銘を受け、是非一緒に仕事を…」などとメールで誘われたとしても、「実は利用しようとしているだけではないか」と一歩引いて物事を見つめるのが大事だと思います。

「仲介会社は無知なイラストレーターを安く働かせるほど儲かる」という事実を知った上で、それでも「経験やスキルアップのために仕事を受けたい」という方は、1,2件受ければ十分目的を果たせると思います。

 

ちなみに、僕は1,2件受けた結果「待つだけじゃなく、ちゃんとイラストレーターとして営業か就活をしよう」という風に考えが変わりました。その辺の話もおいおい書いていきたいと思います。

それでは~

考察

Posted by ken