写実的な色合いが出せない人が知らずにいるたった1つのコト

2020年5月17日

「写実的な色合いが出せない…」

その現象、才能のせいにしていませんか?

そう悩んでいる方は、実は才能のせいではなく、たった一つの重要な事実を意識できていないだけかもしれません…

今回ご紹介するたった一つの「あるコト」を意識すると、改善できるかもしれませんよ…!

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Ken
みなさんこんにちは。
kenです。

今回は、 「写実的な色合いが出せない人が知らずにいるたった1つのコト」 について書いていきます!

この記事では、写実的な色合いが出せない現象を、才能のせいにするのではなく、論理的に説明しています。

冒頭でもったいぶっていますが、ちゃんと出し惜しみせずに書くので安心してください…!

それでは、見ていきましょう!

写実的な色合いが出せない原因は色の選び方にあった…?

さっそくですが、本題に入りましょう。

写実的な色合いが出せない原因はどこにあるのか?

それは、 「混色」に対する意識の薄さ にあります。

黄色と青色を混ぜると、緑色になる…

そう学校で教わった方も多いと思いますが…

そこには実は、重要な認識が抜け落ちていたのです。

それが、

  • 色の彩度はどうなるの?
  • 本当に緑色になるの?

といったことようなことです。

つまり、 「混色」したときに「色相」と「彩度」がどのように変わるかに対する細かな観察眼が養われていなかった ということです。

­色が混ざると彩度が下がる

さて、写実的な色合いが出せない原因が「混色に対する認識の粗さ」にあると分かったところで、混色に関する、ある重要なファクターを見ていきましょう。

それは 「色が混ざると彩度が下がる」 ということです。

黄色と青色を混ぜると、緑色になる…

そこに今ここで新たな認識を付け加えましょう。

そう、 「ただし、緑色は元の黄色・青色に比べて必ず彩度が低い」 と…。

その仕組みを、上のカラーホイールを使って説明しましょう。

カラーホイールとは?

カラーホイールとは、俗に「色相環」と呼ばれるものです。

(実際には、微妙にニュアンスが違いますが、ここではあまり関係ないです。)

上のように角度によって色相が変わり、中心からの距離によって彩度(色の鮮やかさ)が変わります。


今回の話に戻ると…

例えば、下図の三角形の頂点にある三色(黄色青色くすんだ紫色)を基に色を作ると…

混色で作った色は下の三角形の枠内でしか作れません。

なので、黄色と青色のあいだの色相では、彩度が低い色しか作ることができません。

デジタルで色を選ぶ難しさ

上のことは、絵具を混ぜたときの現象です。

しかし、デジタルではそのような制約がないため、 元となる黄色・青色より彩度の高い緑色を作れてしまいます。

例えば、黄色と青色の間の色相では、下図の斜線部分が「アナログの混色では作れないが、デジタルで作れてしまう色」になります。

なので、イラスト初心者がデジタルで色を選ぶと、 アナログでは出せない色を出せてしまうがゆえに、不自然な配色になってしまいがちなのです。

上記の色をテクニックとして意図的に使えるなら問題ありませんが、初めのうちはアナログで出せない色は使わないほうが無難です。

混ぜる色の割合によって色相が変わってくる

上の段落では、「色を混ぜたときの彩度の変化」について触れました。

次は、 「色を混ぜたときの色相の変化はどうなるのか」 について見ていきましょう。

みなさんが小学校の図工の授業など実際に学んだのは、「黄色と青色を同じくらい混ぜると、綺麗な緑色になる」という事実です。

ですが、実際に絵を塗るときは、毎回1:1で混ぜるわけではないので、そこまで簡単な話ではありませんよね?

  • 黄色に対して青色の量が少ないときは?
  • はたまた、その逆の場合は?

といったことを考えなくてはなりません。

混ぜる色の割合が異なると色はどうなるか?

結論を言うと、 混ぜる色の割合によって「色相」が変わります。

これも、カラーホイールを使ってみていきましょう。

例えば、黄色と青色のみを混ぜたとき、その色は「上の三角形の斜辺(赤枠内)上のいずれかの色」です。

なので、この二色を混ぜる割合によって、黄色よりの緑から青色寄りの緑までの色相の色ができます。

ここに関しては、「黄色の割合が高いと黄色に近づき、青色の割合が高いと青色に近づく」ということは、直感でなんとなくわかるんじゃないかなと思います。

「グレー」=「複数の混色によって生まれた色」

以上、色が混ざると彩度が下がるという話をしてきました。

ここまでの話をふまえると、「混ぜる色の色相や割合によっては彩度がかなり低くなることもある」というが分かると思います。

例えば、上のように色相が正反対の二色(補色)同士を混ぜると、色が濁って限りなく「グレーに近い部分」が出てきます。

(本来は二色を混ぜてできる色の範囲は直線ですが、見やすいように幅を付けています。)

ここまでで分かったこと…

  • 色を混ぜると彩度が下がる
  • 補色同士を混ぜるとグレーが作れる

から逆に考えてみると…

「グレーとは 複数の色が混ざってできた彩度の低い色 だ」というふうにも考えられます!

この考え方は非常に重要だと思っています。

なぜなら…

この記事を読んでいる皆さんは、今までの「グレーは白色と黒色の中間」という認識から、「グレーは複数の色が混ざってできた彩度の低い色」という認識に変わりましたよね?

この認識の変化によって、より色に意識を向けられるようになったからです。

実際に描くときのポイント

では、最後に「上の考え方はどうやって絵に生かせばいいの?」という点について触れていきます。

僕が普段意識していることをまとめてみました。

  • どんな色に対しても色相を観察してみる
  • 何色と何色が混ざっているのか考えてみる

  • 実際に混色してみる

どんな色に対しても色相を観察してみる

グレーとは「白と黒の間の彩度が0の色」ではなく、 「私たちがほとんど色相を認識できないほどに彩度の低い色」 です。

なので、一概にグレーといっても、完全に彩度が0ということはなく、よく見ると色相や彩度があることが多いです。


例えば、上の絵は僕が描いたスケッチですが、背景は黒色…

ではなく、ところどころ緑がかった黒色を使っています。

このように、 黒色やグレーのような「本来彩度が0だと思い込んでいた色」の色相なども慎重に観察してみましょう。

わずかに他の色が含まれていることが分かると思いますよ。

この作業は骨が折れますが、繰り返すことで確実に「目で見た色をキャンバス上に再現する能力」が向上してきます。

何色と何色が混ざっているのか考えてみる

絵を描くときに資料を見ると、

「なぜここは、この色をしているのか」

と、疑問に思うことがあると思います。

そんなときはその色が 「何色と何色の影響を受けてそのようになっているのか」を意識してみてください。

例えば、上の絵は水中にいる魚を描いたものですが…

  1. 魚を透明な水中で見たときの色は「黄色」
  2. 深い海では物体は「青く」見える
  3. 魚の色相は「黄色」+「青色」=「緑色」

というふうに考えて色を選んでいます。

この考え方は観察力を磨くために、かなりおススメです!

色を重ねてみる

先ほど、「黒色のような『本来彩度が0』だと思い込んでいたものの色相などを慎重に観察してみましょう」とは言ったものの…

「そんな簡単に色が再現出来たら苦労しないよ」

というのがホントのところだと思います。

そんなときは、

「色を重ねて」みましょう。

上の図のように、ある色に別の色を薄く重ねていき、間に使いたい色があればスポイトツールでとるといった具合です。

僕もほとんどこの方法で色を作っているので、皆さんも積極的に活用していきましょう!

ただし、この方法だと色がくすみやすいので、色がくすんでいると感じたときはスポイトでとった色の彩度を調整してください。

最後に

ということで、写実的な色合いが出せなくて悩んでいる方は混色を意識してみようという話でした。

 この記事のまとめ  

  1. 「混色」を意識すると色づかいが上手くなる
  2. 色を混ぜると彩度が下がる
  3. 色を混ぜる比率によって色相が変わる
  4. 色の色相や彩度に意識を向けてみよう

余談

今回は、 絵の具を使った時の色の混ざり方を説明したものになります。

Photoshopやクリスタなどのデジタルツールでは、実際にアナログで色を混ぜたようには上手く色が混ざらないです。

だからこそ、「デジタルで描くときは実際の絵具を使った時の色の混ざり方を意識したほうが上手くいくよ」ということが、この記事におけるポイントだというわけです。

参考文献

この記事のカラーホイールを使った説明の部分は『カラー&ライト』のp124を参考にしています。

今回の記事を読んで、より本格的に学んでみたいという方は是非読んでみてください~。

絵の考え方

Posted by ken