「なぜか背景が描けない」を克服する、背景の根本的な考え方とは

2019年12月13日

­みなさんこんにちは、kenです。

絵を描いている方なら、

「背景を描くのが難しい」
「思い通りに描けず、背景が子供の落書きみたいになってしまう」

という経験が誰しも一度はあると思います。

今回は、そういった方に向けて、背景を描くにあたって背景初心者が間違いがちなポイントとその解決策をまとめました。

背景が上手くかけない原因は線にあった?

まず初めに、背景が描けない原因から説明していこうと思います。

背景が描けない原因はただ一つ、それは 「線で描こうとしている」 からです。

実は、線でものを捉えることには大きなデメリットがあり、それが観察力を磨くことを阻害している可能性があります。

なので、まずはそのデメリットについて話していきます。

線で描くことのデメリット

全てのものを表現できない

上の画像を線で描けと言われても描けそうにありませんよね。

基本的に、雲や霧などのようなかすんでいるものは線では描けません。

線画では、

  • 雲や炎などのシルエットが曖昧なもの
  • 木のようにシルエットが複雑なもの

など明らかに 描くのに不向きなものがあります。

雲や炎を線画で描こうとすると硬い印象になってしまいますし、木は複雑な形をしているので、すべて線画で描こうとすると相当手間がかかり、効率が悪いです。

まとめると、

  • 線画は万能ではない
  • 線で描けないものがある

ことがここでのポイントです。

色彩感覚が養われない

線画がある絵を見るとき、人の意識は線画に行くので、塗りが上手くなくてもキャラとして認識してもらえます。

特に白背景だと、どこに光源があるかなんて気にならないと思います。

ただ、色彩感覚を磨く上では、このことはマイナスに働いてしまいます。

塗った色が正確でなくてもそれっぽく認識できてしまうので、 色の選び方が間違っていても気づきにくい からです。

漫画が良い例です。線だけで描かれていても、脳内で無意識のうちに色が補完されますよね。

では、どうすればよいのか?

上のようなデメリットなしにものを捉える方法があります。

それは、面でとらえることです。

それでは、線でとらえることと面でとらえることの違いから話していきたいと思います。

線に頼らない絵の考え方とは?

­線でとらえることと面でとらえることの違い

例えば、下の灯篭を見てください。

これを線で描くと…

このようになります。

線で描くというのはいいかえれば、 「色と色との境界線や物体の輪郭を捉えて描く」 ことです。

これを面で描くと…

このようになります。

面で描くというのはわかりやすく言うと、「同じ色の部分のシルエットを捉えて描く」ことです。

面で描くときは線で描くときのように「境界線を線で描く」のではなく、「境界線を境に 濃淡をつけることで塗り分けて描くイメージになります。

僕も技法書を読んでから半年くらいは「面で描く」ことを理解できなかったので、はじめは「面で描く=シルエットを見て描く」ということが分かればOKです!

面でとらえることのメリット

面でとらえるときのメリットは主に、

  • あらゆるものを表現できる
  • より多角的に観察することができる

の二つです。

あらゆるものを写実的に表現できる

面でとらえると、線でとらえるときより、「実際の見え方に近い」見方をすることができるので、 より写実的に表現することができます。

後述の「質感」を意識すれば、雲のように柔らかいものから岩のように固いものまで、自在に表現できます。

より多角的に観察することができる

線でとらえるときには、

  • 輪郭線

のみを捉えることになります。

一方、面でとらえるときには、

  • シルエット
  • ライティング
  • 質感

を捉えることになります。

面でとらえる方が複数の要素を同時に意識して観察することができます。

なので、面でとらえることにより 物体の観察力が飛躍的に向上します。

色以外の要素は、デッサンでも共通して意識する要素です。

個人的な感覚なんですが、「面でとらえる習慣」をつけると、自然とデッサン力も磨かれる気がします。

面でとらえるときに必要な要素

先ほど面で描くというのは、シルエットを捉えて描くことだと説明しましたが、実際には以下の四つの要素を同時に考えることになります。

その四つは先ほど繰り返しになりますが以下の通りです。

  • シルエット
  • ライティング
  • 質感

この四つの要素についてまずは説明していきます。

まずは物体が何色に見えているかを考えます。

色を捉えるときは、周囲の色との関係によって脳が正しい色を認識できないことが多いので、 「物体そのものの色が何色なのか」より「周りの光の影響などで実際には何色になっているのか」を認識してください。

例えば…

上の魚の色は何色と聞かれたら「黄色」と考える方が多いと思いますが、実際には暗い部分は他の影響を受けて「緑色」になっています。

デジタルで絵を描く際は、写真からスポイトツールで色を取るのがおススメです。

シルエット

色と同時にシルエット(=形)も考えます。

シルエットを捉えるときは基本的に 明るい部分と暗い部分の境界をはっきりさせることがコツ です。

輪郭のぼやけたブラシツールを使うと、わからないところをごまかすクセがついてしまうので初めのうちは多用を控えましょう。

ライティング

lighting…(絵画などで)光の配置明暗.

weblioより引用

ライティングを考えることは、 光源がどこにあり、物体にどの角度から光が当たっているかを考えること です。

例えば、上の画像だと、画面左上の、向かって奥の方から太陽の光が差し込んでいるのが分かると思います。

光の当たり方によって…

  • 明るい部分と暗い部分の比率
  • 色の色相・彩度

などが変わってくるので、ライティングが理解できていると「なぜこう見えるのか」が分かるようになってきます。

キャンバス上のどの側に何色の光源があるかを考えるだけでも、次第にライティングが分かってきます。

質感

質感は、「物体の表面がどんな状態なのか」「物体がどのような性質を持つか」を見たまま表現したものです。

例えば、岩ならザラザラしている、雲なら柔らかく薄いなどです。

ブラシの使い分けで表現することもできます。

基本的には、 色やシルエットだけでは表現できない情報を補足するイメージ です。

質感を追いすぎると、他の要素への意識が薄れるので描きはじめの頃はそこまで気にしなくてもいいです。

まとめ

面でとらえるときに必要な要素を図にすると上のようになります。

まずは、色と形を正確にとらえることを意識して、より観察力を磨きたい場合や実在感を出したいときに、ライティングと質感を改めて意識するといいと思います。

線に頼らない絵の描き方

1.ラフを描く

まずは色とシルエットを考えながら大まかにラフを描きます。

ポイントは、色は「全体的に何色になるか」、シルエットは「おおまかにどんな形なのか」を考えて描くことです。

参考資料からスポイトで納得のいく色を取りましょう。

2.ライティングを考える

次にライティングを考えて、明るい部分と暗い部分の色を描きこんでいきます。

光源を考えることと、写真をよく観察して描くのがコツ です。

3.シルエットを整える

シルエットを整えます。

消しゴムで輪郭を削ったり、サイズの小さいブラシで輪郭付近を描いたりして、シルエットを資料に近づけていきます。

鉛筆で点を何個も打つように、 短いタッチを重ねて描くことで細かい描写ができます。

このときに、写真やキャンバス内から色をスポイトで取って様々な色を取り入れるのがコツです。

ブラシの不透明度を80~90%にして描けば、塗り重ねるだけで自然に色を増やすことができます。

4.質感を描き込む

質感を整えます。

素材の特徴をとらえて、わかりやすく表現するのがコツ です。

今回は、木の幹だったので凹凸を描いたり特徴的な洞を描いたりしました。

5.完成

さらに描きこんで完成です。

今回は葉を細かくしたり、ハイライトを足したりしました。

6.まとめ

基本的には「初めに軽く描き、描き進めながら細部をつめていく」流れになります。

「細部をつめる」というのが、はじめはとても難しくなかなか慣れないと理解しにくいものなので、初めのうちはこのメイキングの2~3くらいを目標にしましょう。

写真から正確な色を取れば、キャラクターと違い、多少形が元と違ってもそれっぽく見えます。

最後に

いかがだったでしょうか。

今回の内容をまとめると、

  • 線で描くと絵が上達しにくい
  • 線画は万能ではなく、物体を写実的に描くことが難しい
  • 面でとらえると観察力・表現力がアップする
  • 面で描くのに必要な要素は「色・シルエット・ライティング・質感」の四つ

あたりでしょうか。

初めは面で描くことに慣れず、一時的に「絵が下手になったのではないか」と思ってしまいますが、そこを乗り越えられるかどうかが上達のカギです!

それでは~

ちなみに、この描き方を実践すると1~2年ほどでこれくらい描けるようになります。

海底

 

kenのギャラリーはコチラから↓