技法書はこうやって選ぶ!挫折しないための技法書の正しい選び方
「独学で絵を学びたい!」
そんな方に最もおススメするのが技法書による学習です。
ですが、本屋に行って本を見たり、ネットでレビューを見たりしても「どこに着目して選べばよいのか分からない」方も多いのではないでしょうか。
今回は、そういった方に向けて
「正しく技法書を選ぶ際に重要な着眼点を3つ」
ご紹介します。
この記事は技法書に関する記事の第2回目です。
よければ、下の記事も参考にしてください。
<技法書に関する記事一覧>
- 第1回:「技法書で学ぶメリット・デメリットは?」
- 第2回:「技法書の正しい選び方とは?」
- 第3回:「技法書の有意義な使い方とは?」
自分に合った技法書とは?
自分に合った技法書とはどういうものなのでしょうか?
…
僕は、下の三点が重要だと考えています。
- 本の内容が身につく
- 自分をステップアップさせることができる
- 興味を持てる内容が書かれてある
と、いっても
「このままじゃ何のことやら…。」
という方もいると思うので、下でより詳しく解説しています。
技法書を選ぶときの3つの着眼点
さて、それでは
「実際に僕が普段技法書を選ぶときに見ているポイント」を三つ、みていきましょう。
1.知識より考え方に重きを置いている
よく「誰でも描ける○○の描き方」と謳った本を見かけますが、そういった系統の書物は避けるべきです。
なぜここまで言い切るのか…。
ここまで、言い切るのには
しっかりとした理由があります。
なので、その理由を見ていきましょう。
知識を学ぶのはその場しのぎにすぎない
「たった○○で木が描けるようになる」という本を買ってみたとしましょう。
その時、技法書を読んで上手く木を描けるようになったとします。
でも、そのあと「岩を描いて」と他人に言われたら、岩は以前より上手く描けるようになっているでしょうか?
…
おそらく、以前とほとんど変わらないでしょう。
というのも、
ここでしたことは「理屈もわからず、描かれたとおりに手を動かした」ということにすぎないからです。
極端に言えば、「ライターを借りて火をつけた」くらいの事しかしていないわけです。
これでは、ライター(知識)がないと、次に必要になった時に火をつける(内容を活かす)ことはできません。
考え方を学ぶと、あらゆる場面で生きる
一方で、次は「風景を描くための考え方」についての本を買ったとしましょう。
この本では、「なぜ初心者は風景が描けないのか」「なぜこの部分から描きはじめたのか」といったことが書かれていました。
この本を読むことで幅広いものが描けるようになりました。
ここで疑問に思うことがあると思います…。
「先ほどの本と今回読んだ本の違い」は何なのか?
…
ここで着目してほしいのが
「なぜ」という問いがあるかないかです。
というのも、「知識」のみが書かれている本には、理由が書かれていませんが、
「なぜ」という問いがある本には、必ず「答えを出すまでの考えの道筋」が描かれてあるからです。
そこから、幅広く応用が利く「ものの捉え方」が手に入れられるというわけです。
先ほどの例になぞらえると、「自分で火をおこす方法を学んだ」ようなものです。
これなら、ライター(知識)がなくても何とか火をおこせるようになり(自分で考えて答えを導き出せ)ますね!
あらゆる場面で生きる考え方の重要さ
なぜここまで、長々と書き連ねてきたかというと…
絵を描く上では、
この「あらゆる場面で生きる考え方」が非常に重要だからです。
絵を描くときは、まずは資料を集めると思いますが…
自分の脳内に思い描くイメージと完全に一致する画像はなかなか検索でヒットしません。
こういったときに、「複数の画像を観察して必要な情報同士を選び取って描く」必要が生じます。
その際、選び取った情報のすき間を補って組み合わせることになります。
この「すき間を補う接着剤」のような働きをするのが、先ほど書いた「あらゆる場面で生きる考え方」というわけです。
よく使われている言葉でいうと「画力」というわけです。
まとめ
知識が要らないのかというと、そういうわけではありません。
ただ、知識だけを受動的に学ぼうとすると、そのたびに技法書を買って描き方を見る必要があり、限界が来ます。
一言でいうと、「知識が書かれていたときに、
自分がその知識を理解しながら学ぶことができるかどうか
」というのがここでのポイントです。
買うからには、何度も読み返す価値のあるものを選びましょう!
2.話の内容がほとんど理解できる
二つ目のポイントは、ずばり 「話の内容が理解できるか」 どうかです。
※補足しておくと、ここでのポイントはあくまで「理解できるかどうか」なので、内容が知らないことばかりでも理解出来たら問題ありません。
さて、どういうことなのか見ていきましょう。
当たり前のことになりますが、読む前から知っていることしか書かれていないのなら、わざわざお金を払ってまで買う価値はありませんよね?
かといって、難解で、途中で理解できなくなって投げ出す本も適切とは言えません。
つまり、その間の
「ちょっと背伸びして考えたら理解できそうなこと」が書かれている本がよい
わけです。
上のイメージ図を使って説明すると、自分が「1」にいるときに「2」へ橋渡しをしてくれる技法書を買うとよいということです。
いきなり「2」から「3」へ橋渡しをする本を買っても、そもそも「2」にいないのだから現時点では役に立ちませんよね…そういうことです!
3.自分にとっての課題が書いてある
最後のポイントは、どちらかというとモチベーションに関連した話になりますが
「自分にとっての課題が書いてあるかどうか」
です。
「課題」というのは、「自分が現在解決したいとおもっていて、なおかつそのためには多少の努力をいとわないと思えるもの」のことです。
人は、他人にいろいろ言われても、自分で意識するまで考え方を改めない人が多いです。
つまり、必要性を感じないと動かない生き物なのです。
なので、技法書を買う際に、興味のないことについて書かれている本を買っても、嫌気がさしてやめてしまいます。
自分にとっての 「課題」の解決の糸口が掴めそうな本を選びましょう。
まとめ
ということで、「技法書の正しい選び方とは?」についての記事でした。
少し説明が長くなったので、ポイントをおさらいしておきましょう。
この見出しでのまとめ
- 技法書は、考え方を学べるものが良い
- 技法書のレベルは、背伸びすれば理解できそうなレベルのものを
- 自分が意欲的に学べる内容の本を選ぼう
少し不安をあおるような描き方になってしまいましたが、「自分で書店に行って良いと思ったものを買う」…。
それだけで上記のことは大体自然にできますので問題ないです。
それでは~
<技法書に関する記事一覧>
- 第1回:「技法書で学ぶメリット・デメリットは?」
- 第2回:「技法書の正しい選び方とは?」
- 第3回:「技法書の有意義な使い方とは?」