絵に実在感がない…を解消する!3つの光を意識した影のつけ方とは?
「絵に実在感がない…」
「絵が平面的に見える…」
そんな現象にお悩みではないでしょうか?
もしかしたらその原因はあなたが「光源を意識した影のつけ方を知らないから」かもしれません…。
光源を意識した影のつけ方が分かるようになれば、絵に実在感が出せるようになりますよ!
今回は
「光源を意識した影のつけ方」
をご紹介します。
この記事では、
- 光源ってどこにあるの?
- 絵に実在感が出ない原因は?
- 実際にどう光源を意識して描くの?
といったあなたの疑問を解決します。
それでは、見ていきましょう!
このページの目次
絵を描くのに必要な光源は3つ
光源を意識して陰影をつけるというと、
「光源?太陽の事でしょ?」
と思う方が多いと思います。
確かにそうですが、実は光源は一つではありません。
…
なんと、
光源は「大きく分けて三つ」あります。
- 主光源(太陽光)
- 反射光
- 環境光
の三つです。
反射光・環境光とは何なのか…。
それを順番に見ていきましょう。
主光源(太陽光)
まずは、殆どの方が実感できるであろう 主光源 です。
外では日光が主光源ですが、屋内では照明が光源になることもあります。
上の画像では、画面左上から太陽の光がさしているのが分かると思います。
反射光
絵を始めたての多くの方が見落としがちなのが、この反射光の存在です。
実は 物体に強い光が当たると、その物体が反射した光が別の物体に当たります。
…
これが
反射光
です。
光を反射する物体を疑似的に光源とみなしているわけです。
上の画像では、太陽光が草原に当たり、その反射光がカモに当たっています。
環境光
環境光…これが一番なじみのないものかもしれません。
私たちが普段透明だと思っている大気…
それは、実は透明ではありません。
ごくわずかですが、太陽の光を拡散しています。
これが第三の光源、
環境光
の正体です。
上の画像では、飛行船の底部は太陽光の陰の部分ですが、真っ暗ではなく、少し青みがかって見えます。
これは、太陽光の一部が大気によって拡散されて当たっているからです。
絵に実在感が出ない原因とその解決策
実在感がないのは要素が浮いて見えるから
絵に実在感がない…
その理由はいたってシンプルです。
それは 「絵を構成する要素同士が浮いて見えるから」 です。
よく言われる、「統一感がない」というやつです。
つまり、光の当たり方などの環境条件が別々の状態で描いているもしくは、環境条件を表現できていないがゆえに、要素が絵から浮いて見えるというわけです。
相互関係を描くことでリアリティが出せる
つまり、その逆…
「構成要素同士の相互関係を描く」
ことで、リアリティが出せます。
今回の三つの光源を意識して、しっかりと同じ光源からの作用を描けばよいのです。
今回の考え方を使ったメイキング
では最後に、
今回の考え方を実際にどう使うのか…
それを今回説明した手順通りに紹介していこうと思います。
今回は机の上にあるりんごを描く手順をご紹介します。
1.なにも光が当たっていない状態を描く
まずは
何も光が当たっていない(光の影響を受けていない)状態
を描きました。
ちなみに、この状態の色は固有色と呼ばれ、物体そのものの色を表します。
2.主光源の影響を描く
次に、
主光源の影響
を描きます。
今回は画面左上、画面少し手前から光がさしているものとします。
3.反射光の影響を描く
それができたら、今度は
反射光の影響
を描きます。
ここでは机に当たった光が机に反射して、リンゴの下部に当たっている様子を描きました。
机に光が当たるとオレンジ色に輝くので、リンゴの下部もオレンジっぽくなっているのが分かるかと思います。
4.環境光の影響を描く
最後に、
環境光の影響
を描きます。
ここでは、大気で拡散された光が、物体に当たっている様子を描きます。
主に、机の画面奥側と、リンゴの画面奥側にうっすらと水色がのっているのが分かるでしょうか?
5.微調整して完成
4までで、光の表現は9割方完成しました。
そこから、質感の描き込み・色合いの調整をして完成になります!
今回の内容では4までできると思います。
「質感って何?」という方はこちらの記事もどうぞ~
まとめ
今回の流れをまとめると下の通りです。
今回のメイキングのまとめ
- なにも光が当たっていない状態を描く
- 主光源の影響を描く
- 反射光の影響を描く
- 環境光の影響を描く
- 微調整して完成
今回の過程gifになります。
最後に
以上、3つの光を意識した影のつけ方についての話でした。
この記事のまとめ
- 光源は3種類ある
- 主光源は主に太陽光のこと
- 反射光は物体によって反射された光
- 環境光は空気によって拡散された光
- 3つの光を意識すると実在感が出せる
僕自身も絵を描きたてのときは「光を意識して描けばいい」ということは知っていたのでしたが、光源が3つあるということは長らく知りませんでした。
これを意識してからは、確実に絵が上手くなっていったので、皆さんもぜひ 早いうちから今回の内容を意識して絵を描くようにしてみてください~。
参考文献
今回の話を使うと、一通りのものは描けますが…
さらに上を目指したい方は、さらに細かな光の現象も知っておくと更なる表現力のアップにつながります。
光についてより詳しく知りたいというストイックな方はこちらの本を読んでみてはいかがでしょうか?
それでは~