廃墟っぽい絵のメイキングと金属の質感表現について

2019年12月13日

陽だまりの中で

皆さん、こんばんは!

今回は先日描いたこちらの絵に関して、描いている途中の気づきなどをまとめたいと思います

インスピレーションについて

最近、光の当たり方が絵のぱっと見の印象をよくするうえで非常に大事な部分だと思いまして、

普段移動しているときにいいなぁと思う構図やライティング(光の当て方)があった時にメモを取るようにしていました。

それで移動中の電車の中で「陽光が窓から差し込む様子」や「緑色の座席が日差しで黄色く輝く様子」が魅力的だなぁと思い、自分なりに再現してみました。

光の当たり方について

光の当たり方は影がはっきりとしている方が鑑賞者にとって面白いと思います。

自分で考えだすのは難しいので、面白い光の影の付き方を見つけたらメモを取り、その日のうちにグレーラフなどで再現するのがおススメです。

ざっくりとメイキング

①ラフ

最初にラフをざっくり描きました。

この時点では優しい印象を重視して描いています。

この時に光源やパースを決めておくと後で手直しする手間が減ってよいですね。

明暗を決めておく

細かい描き込みは後で行うのでラフの段階ではディテールは気にせず、光源と影の付き方をしっかりと決めておくのが大事だと思いました。

今回はライティングができているので割とうまくいったような気がします。

②歪みの整理

窓枠を整えて光の当たり方を分かりやすくしました。

一枚目で黒が弱い印象を受けたので隅を暗くして解消しています。

黒を強くする

今回は一枚目の前にグレーラフを描いてからオーバーレイで彩色しています。

その際、ラフの段階で黒が弱いとそのままパッとしない絵に仕上がってしまうので途中で納得のいくよう黒を強めるのは大事だと思いました。

くすんで見えるときは…

最近気づいたのですが、白黒表示にすると色によっては明度が変わるものがあります。

(青系統が特に暗くなりやすいです。)

明度を下げてもパッとしないときは彩度を上げると解決するかもしれません。

ご参考までに!

P.S. 「カラー&ライト」p76に関連したことが書いてありました。

興味のある方はぜひ~

③パーツの追加

風化させる手前の段階です。

つり革や網棚などを別レイヤーで追加しました。

座席が明るくぼんやりとした印象を受けたので乗算レイヤーで暗くしました。

また、窓が整いすぎていたので片側に日よけをつけてランダム感を出しています。

④風化させる

最後に風化させて完成です。

ここで描き込んだのは金属の錆植物です。

窓枠が寂しかったので植物のシルエットを窓にかぶせています。

手前のシルエットは暗く

空気遠近法で遠くのものはがかすんで薄く見えるので、それを使って室内であろうと手前を暗くするのは構図を安定させるうえで大事だと思いました。

シルエットで情報量を稼ぐ

暗い部分は描きこまなくてもよいので葉のシルエットを複雑にして情報量を稼いでいます。

質感の表現について

今回金属の風化に力を注いだのでそれについて思うことを書いていきます。

金属の質感表現

(※金属の模写)

金属の画像を見て、金属光沢に必要な要素としては

・ハイライトはほぼ白に近い明るさ

・最も暗く見える部分はほぼ黒に近い

この二点だと思いました。

つまりメリハリがあるっていうことですね。

金属の風化表現

(※金属の模写に描き込み)

次に金属の風化に必要な要素としては

・擦れたような疵(乱反射で白く輝く)

。エッジが崩れる

・赤みがかった錆

この三点だと思いました。

錆について

錆の表現として便利だったのがチョーク系のブラシで薄く描き、かすれを出す方法です。

かすれを用いてざっくりと錆を描き、錆の中でも色が濃い部分を点描で描くと上手くいきました。

最後に

こんな感じでイラストを描き次第、気づきなどをまとめていきたいと思います。

ではまた~