【初心者向け】色塗りのコツを掴むのにおすすめの練習方法「写真模写」のやり方を紹介

2020年5月18日

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色を塗るとなぜか安っぽくなってしまう…

そんな現象に悩まされていませんか?

実は、その原因は「実物を描き慣れていないから」です。

アニメやゲームのキャラなどに憧れて絵を描きはじめた場合、実在する物や風景を描くという機会はあまりないと思います。

そうすると、どうしても実在感を出す力が足りていないので、説得力のない絵になりがちです。

そういった現象を改善するのにおすすめなのが 「写真模写」 です。

写真模写を定期的にこなせば、次第に絵に説得力がでてくるので、みる人を引き付けるイラストが描けるようになりますよ。

今回は、実物を上手く絵に写し取る練習として最適な「写真模写」のやり方について書いていきます!

写真模写で、普段意識しない「色」について意識を向けられる

写真模写で得られる最大の効果…それは 「色を正しくとらえられるようになること」 です。

身の周りのものの色に意識が向くことって、普段の生活ではあまりないと思います。

空は青色で、海も青色…色に意識を向けるまでは、ほとんどの人が色に対してそのくらいの認識だと思います。

でも、このくらいの認識だと絵を描くときに支障が出てきてしまいます。

例えば、一口に青色と言っても、エメラルドグリーンに近い爽やかな印象の青から、コバルトブルーのような深い青までいろいろありますよね。

想像に頼って、実物を見ずにこれらをまとめて同じ色で塗ってしまうと、 色が単調になってしまうので、どことなくリアリティに欠けた塗りになってしまいます

それを改善するのが、「写真模写の目的」です。

写真模写をすれば…

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植物は緑だと思っていたけど、黄色がかっているときもあるんだ…!

といったように、色についていろいろ発見することができます。

こういった経験を繰り返し、 自分の中の色への「思い込み」を正していくことができれば、客観的に色をとらえることができます。

最終的には、見た色をそのままキャンバス上で再現することも可能になります!

モチベーションをあげるための写真の選び方

他人が撮影した写真には著作権が存在するため、それらを模写したものはネット上にアップロードしてはいけません。

でも、絵を描いている人なら少なからず「練習で描いた絵でも、ネットに公開したい」と思っているはずです。公開できる方がモチベーションが上がりますよね。

そう思う方におすすめの方法を二つ紹介します。

1.自分で描いた写真を使う

一番安全で確実なのが、「自分で撮った写真を使う」という方法です。

ただ、これには「いい写真を探すのが大変」というデメリットがあります。

スマホのカメラで撮ったりするとどうしても画質が粗くなってしまいますし、都会に住んでいると広大な自然風景を取りに行くのにも一苦労ですよね。

普段から、いいと思った風景をためらわずにカメラに収めておく習慣を作るとある程度はデメリットを緩和できると思います。

2.商用利用自由の画像を模写する

個人的には此方の方がおすすめです。

pixabay」というサイトなら、反社会的な利用などのごく限られた場合を除いて帰属表示なしでの写真の利用が認められています。

このサイトにはかなり良い写真が揃っているので、参考写真探しには苦労しないと思います。

此方の場合は念のため、模写で描いたという旨を添えて投稿するといいかもしれません。

写真模写の実践方法と考え方

ここでは僕が実際にやっている手順を紹介します。

人によって向き不向きがあり、鍛えたい能力も違うと思いますので、「なんか自分に合わないな」と思ったら、柔軟にアレンジしてみてください。

1.写真を用意する

まずは模写をする写真を用意します。

2.形をとる

まずは大まかに形を取ります。

後で大幅に修正しなくてすむように、全体のバランスに気を付けて形をとります。

形の取り方は下の二通りです。

  • 塗り分けてとる
  • 線を使ってとる

塗り分けてとる

線を使わずに濃淡によって塗り分けることで形をとります。

厚塗りに慣れたい/塗りが上手くなりたい場合は、線を使うよりこちらの方がおすすめです。

線を使ってとる

立体感が重要な絵を描くときや、どうしても塗り分けで形が取れない時は補助的に線画を描きましょう。

補足ですが、線画を使って描くデメリットとして「塗りが雑でもそれっぽく見えるがゆえに塗りが雑になりやすい」というものがあります。

なので、 塗りを上手くしたい場合は線画を描かない方が良いでしょう。

関連記事:【観察力・表現力アップ】今すぐできる!立体感を意識する4つの方法

3.まずは白黒で塗る

色を一からすべて選ぶのはかなり難しいです。

なので、初めに白黒で塗って、全体の明暗の感じをつかむことから始めるのがおススメです。

関連記事:なぜグリザイユ画法が陰影を上手くつけるのに最良なのか?

4.色の選び方

白黒で全体の明暗を描けたら、色を選んで塗っていきましょう。

ここからが 写真模写の核心になります。

色の選び方についてですが、数学のテスト勉強になぞらえて考えてみると分かりやすいです。

数学のテスト勉強では、以下の手順で勉強をしますよね。

  1. 問題の解き方を予測する
  2. 実際に解きすすめてみる
  3. 答え合わせをする
  4. 自分の間違いの原因を探る
  5. 間違いをしないよう改める


これと同じように、色を選ぶ際は以下の手順で進めると良いです。

  1. 写真を見ながら色を予測する
  2. 自分で色を選んでキャンバスに塗る
  3. スポイトで写真の色を取り、自分の選んだ色と比べる
  4. 選んだ色と正しい色との認識のずれに気づく
  5. 認識のずれを意識する

とまぁ、こう聞くと思わず身構えてしまう方も多いと思いますが… 場数を踏むことで、次第に考えなくてもできるようになってくる ので心配は要りません!

では、それぞれの過程を詳しく見ていきましょう!

1.見ながら色を予測する

まずは、自分がこれから塗ろうとしている部分の色が何色なのか予想して、色を選んでみてください。

今回は赤丸内の色を予想します。

2.実際に塗って比較してみる

色を選んだら、自分を色を選んで先ほどのラフに塗ってみてください。

塗った後で、「キャンバスに写真と同じ色を塗れているのか」を観察してみましょう。

一回で完璧に色を合わせる必要はありません。何回も試してみて、徐々に色を近づけていきましょう。

3.スポイトで写真の色を取ってみる

基本的には、1.と2.を繰り返していくのですが、いくら色を見ても「本当に同じ色が塗れているのか」を正確に確かめることはできませんよね。

なので、自分が塗った部分と同じ場所の色を、写真からスポイトツールでとって確認しましょう。

ただスポイトで色をとって塗るだけでは写真模写の効果は半減してしまいます。1.と2.で色に検討をつけた後に行うのがポイントです。

4.自分が予測した色との違いを見る

3.で写真からスポイトでとった色と、2.で自分がキャンバスに塗った色とを比較してみましょう。

上は僕が実際にやってみた場合のものです。色相がちょっとずれていますね。


何回か繰り返していくと、自分の色の考え方の”癖”がわかってきます。

「実際より色の彩度を低めに見てしまう」「実際より色を明るくとらえてしまう」といったものです。

5.色のずれを減らしていく

考え方の”癖”が分かったら、「自分にはこういう癖がある」ということを頭の片隅に置きながら、別の場所についても1~3を繰り返していきます。

1.~4.の作業を繰り返すことで、次第に見た色と描く色が近づいてきます。

地道な作業になりますが、ここまでの作業を繰り返して全体に色を塗っていきましょう。

最後の方は、キャンバスに既に塗った色をスポイトツールでとって使いまわせばよいので、 描きはじめが頑張りどころだと思います。

5.細部の描写をする

最後に、細部の描写をしましょう。

下の三点を意識しながら完成度を高めていきます。

  • 全体のバランスがおかしくないか確認する
  • 形がちゃんととれているか確認する
  • 質感が表現できているか確認する

一言でいうと、 「曖昧に描いている部分をはっきりと描いていく」 ということです。

この作業は、妥協との戦いなので一番つまらなく感じると思いますが、絵の上達においてかなり重要になってくるので、できる範囲で頑張りましょう!

関連記事:【イラストのクオリティアップに!】「質感表現」の考え方とコツを紹介

最後に

今回の絵の過程gif

上が、今回の過程のgifイメージです。

はじめに白黒で明暗を捉え、その後に全体を大雑把に塗って、最後に細かい部分を描写するという流れで作業しています。

まとめ

今回の内容をまとめると以下の通りです。

この記事のポイント

  • 写真模写をすると目で見た色を絵で表現できるようになる
  • 写真模写で大事なのは「色を考えて塗る」こと


正直、目的がないと継続してやるのは難しいので「色塗りが上手くなりたいと思った時に飽きるまで少しやってみる」感覚で取り組むがちょうどいいと思います。

はじめのうちは、一枚やるだけでも色の見え方がだいぶ変わってきますよ。

著作権の問題がない場合は、写真模写で描いた絵にキャラクターを足してネットにアップしたりすると、モチベーションが出やすいかなと思います。色々工夫してみましょう!

それでは~

絵の上達法

Posted by ken